那覇大綱挽の良さは、指笛、爆竹、銅鑼、鉦子、太鼓、支度、空手がーえー(我栄)などの独特の伝統様式にありますが、最大の特徴は、うふんなすねーい(挽行列)で、黒装束のむむぬちはんたー(股引半套)を身にまとった、にーせーたー(青年達)の舞わせるはたがしら(旗頭)にあります。
旗頭は、「村のシンボル、まもり神」として古くから地域のてぃぐまー(細工師)によって、村々の繁栄を込めて考案製作され、大綱挽を応援する村の旗印です。
旗頭は、勇壮、華麗、優美、荘重とその形や色彩を争い、大旗の旗字は、古今の名著から取った句柄が大書され、町や村興しの目標ともなっています。この旗頭を躍らせるはたもち(旗持)は、ちゅらばた(美ら旗、旗頭を見事に躍動させること)を競い、それを那覇男子一生の誉れとしています。各地域には複数の旗頭がありますが、現在、那覇大綱挽保存会登録の公式の伝統の旗頭は14旗。うふんなすねーい(大綱挽行列)は、この旗頭を中心に、東西に分かれてすねーいをしますが、先頭に地域代表の実行委員、子供たちのしるしばた(印旗)、太鼓、鉦子、ぶら(ほら貝)が、独特の調子で演奏しながら行進する様子は那覇大綱挽行事の圧巻です。
※旗頭の行列順序は毎年変わります。
東一番(大結)
安里(薄)
壺屋(炎)
泊(緋桐燈)
久茂地(盛鶴)
首里(左御紋)
真和志(ぼたん)
西一番(八卦)
辻(子丑寅)
久米(水仙)
若狭・松山(京判やーま)
垣花(砂糖車)
泉崎(巴)
小禄(松竹梅)
銅鑼鐘で単に「かに」ともいう。
現在は、うふんなすねーいの時、各実行委員会の先頭でたたいている。かにうちは一人である。
脚が三つあるたたき鉦。 紐をつかまえ鉦を上に向けてしゅむく(木)でたたく。古代軍中で使った鉦である。
奏者をしょーぐうち(鉦子打)といい、現在8名で構成する。紫のまんさーじ・白襦袢・黒袴・紫襷の出で立ちである。綱挽き開始は西東の打楽器委員長のしょーぐうちこみが合図である。
締め太鼓を使う。奏者をてーくうち(太鼓打)といい、現在30人で構成する。白鉢巻・白襦袢・黒袴・白襷である。
片方のみ皮を張った小太鼓。久米村のみが使用する。
ほら貝を吹く者をぶらふち(法螺貝吹)といい、吹き方に長短がある。現在8人で構成する。紫鉢巻・甲立てをし、着流しに引羽織(陣羽織)を着る。
銅鑼より二回り小さく中央が盛り上がった鐘で、杓子形の撞木で打ち鳴らす。久米村のみが使用する。
鉄の筒に火薬を詰め木栓をして導火線で火を付け爆発させるもので、その爆発音は綱挽の士気を鼓舞し雰囲気を盛り上げたが、現在は禁止。
六尺のやんばるだき(山原竹=琉球竹)25本を藁で5箇所束ねて火をもやし明かりとした。昔は夜に綱を引いたことから明かりとして用いたが、現在は使用しない。